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2005.11.14

「男女共同参画社会に関する世論調査」なるもののばかばかしさ、ふたたび

「内閣府大臣官房政府広報室」が平成12年に行った「男女共同参画社会に関する世論調査」なるものを見た。
まず第一印象。「なんじゃ、これは」。
次に「だめだ、これは」。
更には(ちょっと理性的になって)「質問の答えの選択肢に当然想定されるはずの選択肢が無く、世の中全て、女性が不利な状況に置かれているという前提で質問が作られている。(ある意味、誘導尋問じみている)」
「このような偏った調査を行う官庁からは、絶対に本当の男女参画など出てこない。」と言ったところだろうか。
例えば、「社会全体を捉えた場合、男女平等になっているか?」という趣旨の質問があった。
私の答えは、その選択肢の中から選べば「どちらかといえば、女性が優遇されている」か「女性の方が非常に優遇されている」のどちらかである。
で、調査用紙には、私のような答えの人間はQ3に進め、と書いてあるからQ3に進んだら、「あなたが女性の人権が尊重されていないと感じるのはどんなことか」という設問である。目を疑ってしまった。女性の方が得だと思っている人間に「女性の人権が尊重されていないと感じるのはどんなことか」と聞くのは、設問者の頭が悪いのか、女性の方が得だと考える人間などこの世にいないと考えたのか、それとも、人をバカにしているのか。要するに、結論先にありき、ではないか。((因みに、この調査の結果によれば女性の方が得だと考えるような異端者は2.7%しかいないことになっている。しかし、最近、「独立行政法人・統計数理研究所」が行った「国民性調査」において、「世の中女の方が楽しみが多い」という答えが過半数を超えたという事実(http://www.ism.ac.jp/~maeda/KSJapan/LatestResults.files/summary11_1.htm参照)や、何よりも、調査の建前が「男女共同参画」であることを考えると、女性に不利な項目ばかり並べた上で、それをどうすれば解決すると思いますか?といかにも官僚的・フェミニズム的な解決手段ばかりを並べて、その中から選ばせるという手法は、男性の人権、男性特有の問題を無視している上、誘導尋問であり、文字通りの意味での「男女共同参画」にも反するものと考える。)
一般に、調査とは、結果が分からないのでそれを知るために行われるが、私には、この調査は、出したい結果が先にあって、それを正当化する為に調査を行っているとしか思えない。
因みに、私が男性の人権が尊重されていないと感じるのは、こういう女性のことばかり考えて男性の人権など無視した実に無神経な調査を見たときである。

 結局のところ、この調査は全体的に当局者が女性が不利だと考える項目について、誘導尋問的に質問しているだけである。(特に、Q14、Q15でこの傾向が顕著。)この誘導尋問に抵抗しようとするならば、ひたすら、「分からない、どれとも言えない」という選択肢を選ぶしかないであろう。
では、誘導尋問の目的地、つまり、当局者が出したい結論は何なのであろうか。それは、「男女共同参画社会基本法」にいうところの「積極的改善措置」(一般に「アファーマティブアクション」とか「アクティブアクション」と呼ばれるもの。)を女性(に対してのみ)に適用することが世論の支持を受けている、という結論ではないだろうか。Q14などは、 「あなたは,女性があまり進出していない分野に女性の進出を進めていくために,どのような措置をとるのがよいと思いますか。この中からいくつでもあげてください。」 と問うているが、選択肢は、 「国や地方公共団体が,公共事業の発注に当たって女性を積極的に活用する企業などを優遇する」などなど、アファーマティブアクションのオンパレードである。本来、アファーマティブアクション自体が選択肢(それも極めて賛否が分かれる)の一部でしかない筈なのに、である。「企業が自主的に,女性社員の採用・登用・教育訓練などに目標を設けたり,女性社員の進出を促す計画を策定する」という選択肢などは、一応、アファーマティブアクションからは外れた選択肢であろうが、アファーマティブアクションから外れていると認められる選択肢は、これが唯一であった。 (これも、「自主的」の適用の仕方次第でどうとでもなる選択肢ではある。国が企業に「『自主的な』女性社員の採用・登用・教育訓練」を事実上強制する、ということもあり得るからである。別館で扱っている女性専用車両は一応、鉄道会社による自主的なものという建前になっているが、どう見ても、国交省などによる強制であった。)

それにしても、最初から「女性に対する人権侵害」しか問題にせず、結局、行き着く先は女性に対するアファーマティブアクションの適用ばかりが並んでいる設問、という調査を「男女共同参画社会に関する世論調査」とは称するのは欺瞞である。
こんな調査を平然と行う内閣府からろくな政策が出てこないのは当然であろう。
国交省による「女性専用車両」「女性専用タクシー」も当然、ここの影響を受けているものと考えられる。
「女性専用車両」なんていう、ばかばかしいものが登場して驚いている私のような人間の方がおめでたいバカなのかも知れない。

http://www8.cao.go.jp/survey/h11/danjyo/3.html

indexにリンクを貼ろうかと考えたけど、偏った調査分析がなされているので、調査の
結果の方に貼ります。調査分析を見たい方は、調査結果(特に設問の流れ方)をよく
見てから、indexに飛んで下さい。


P.S. なお、この調査は毎年行われているようで、平成16年にも行われていますが、質問の仕方に多少の変化があるだけで、内容的には大差ありません。平成16年の結果で、「女の方が男より得をしている」と答えた人が3.8%に達した(つまり増えた)のは、納得がいきますが、まだまだ実情を反映していない、と言う気がします。(上記、統計数理研究所の調査参照。)
平成12年9月には「男性のライフスタイルを中心に」した調査も行われていますが、例えば、夫から妻への暴力への社会的対処法を尋ねるなど、ステレオタイプの域を脱していません。夫が妻から暴力をふるわれた場合はどうするんですか!!(全く、そういう事態を想定していない。)
アメリカでは、1980年代初頭の時点で「実は、夫から妻への暴力よりも、妻から夫への暴力の方が多い」、という調査研究が最低3件はあった
というのに。 (下村満子『アメリカの男たちはいま』(朝日新聞社、1982)による)

(2005-11-14改訂)

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